なんとなく頁をひらいた

なつかしいアシモフのSF

アイ・ロボット (角川文庫)作者: アイザックアシモフ,Isaac Asimov,小田麻紀出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2004/08/01メディア: 文庫 クリック: 11回この商品を含むブログ (29件) を見る「ロボット工学の三原則」で有名なSF本である。一応、その三原則を…

日本史に「デモン」を見いだす

魔の系譜 (講談社学術文庫)作者: 谷川健一出版社/メーカー: 講談社発売日: 1984/11/07メディア: 文庫 クリック: 14回この商品を含むブログ (9件) を見るこの本の題名にある「魔」、延いていえば「魔的なもの」というのは、それぞれ「デモン」「デモーニッシ…

中村光夫の谷崎論

谷崎潤一郎論 (新潮文庫)作者: 中村光夫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1956/04メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る谷崎潤一郎は確かに古いし、この中村光夫も古い。しかし、谷崎の古さは自分にはおもしろいのだが、本書の中村はまったく詰ま…

もし身に覚えがなく「痴漢!」と言われたら

「この人、痴漢!」と言われたら―冤罪はある日突然あなたを襲う (中公新書ラクレ)作者: 粟野仁雄出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2009/04メディア: 新書購入: 2人 クリック: 85回この商品を含むブログ (13件) を見るタイトルの「痴漢」に限らず、誰でも…

サイエンス・ライターを軽んじるな

自己組織化とは何か 第2版―自分で自分を作り上げる驚異の現象とその応用 (ブルーバックス)作者: 江崎秀,林健司,都甲潔出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/04/21メディア: 新書購入: 3人 クリック: 12回この商品を含むブログ (10件) を見る閉じた系ではエン…

舞城王太郎

熊の場所 (講談社文庫)作者: 舞城王太郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/02/16メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 31回この商品を含むブログ (129件) を見る舞城王太郎はこれまで文庫三冊を読んだのみで、特に熱心な読み手というわけでもなく、これが四…

南鳥島特別航路

南鳥島特別航路 (新潮文庫)作者: 池澤夏樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1994/03メディア: 文庫この商品を含むブログ (8件) を見る日本列島の自然を訪ね、普通ではちょっと行きにくいようなところへ行っている旅の記録。著者に言わせれば、「普通の旅行と…

マンシェットのネオ・ポラール

愚者(あほ)が出てくる、城寨(おしろ)が見える (光文社古典新訳文庫)作者: ジャン=パトリックマンシェット,Jean‐Patrick Manchette,中条省平出版社/メーカー: 光文社発売日: 2009/01/08メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 17回この商品を含むブログ (40件) を…

マルグリット・デュラス

夏の夜の10時半 (河出文庫)作者: マルグリットデュラス,Marguerite Duras,田中倫郎出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1992/10メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (7件) を見る一家でのスペイン旅行、妻のマリアはアルコール中毒らしい。…

ピロストラトスってひと知っていますか?

英雄が語るトロイア戦争 (平凡社ライブラリー)作者: フラウィウスピロストラトス,Flavius Philostratus,内田次信出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2008/10/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見るピロストラトスは、二世紀から三世紀にかけての…

自由主義の再検討

自由主義の再検討 (岩波新書)作者: 藤原保信出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1993/08/20メディア: 新書購入: 6人 クリック: 65回この商品を含むブログ (46件) を見る少し古い本であるが、社会思想の初学者にとっては判りやすくコンパクトで、いい本だった…

松浦寿輝の幻想短編集

あやめ 鰈 ひかがみ (講談社文庫)作者: 松浦寿輝出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/10/15メディア: 文庫 クリック: 13回この商品を含むブログ (14件) を見る松浦寿輝の魅力は、そのモダンでスタイリッシュな文体にある。この連作短編集も、文体の魅力と小…

平成の精神的起源

天使の王国―平成の精神史的起源 (幻冬舎文庫)作者: 浅羽通明出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 1997/08メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (15件) を見るだいぶ古い本だが、何かの本の参考文献になっていたので読んでみた。この本に収められて…

星野智幸の『最後の吐息』

最後の吐息 (河出文庫)作者: 星野智幸出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2005/11/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (33件) を見る色彩。匂い。官能。狂気。こう並べてみると少し気恥ずかしいが、端整な句読点の切り方に救…

村上春樹の短編小説案内

若い読者のための短編小説案内 (文春文庫)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2004/10/01メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 49回この商品を含むブログ (120件) を見る村上春樹が、いわゆる「第三の新人」に属する作家たちの作品を中心に、短編…

井伏鱒二

人と人影 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)作者: 井伏鱒二出版社/メーカー: 講談社発売日: 1990/02メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (4件) を見る

ハンニバル

ハンニバル 地中海世界の覇権をかけて (講談社学術文庫)作者: 長谷川博隆出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/08/11メディア: 文庫 クリック: 7回この商品を含むブログ (10件) を見る学者の手になる歴史読み物として、よい出来だと思う。西洋史に興味のある…

司馬遼太郎

司馬遼太郎の日本史探訪 (角川文庫)作者: 司馬遼太郎出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1999/06/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (17件) を見る

旅と大人と文章

明るい旅情 (新潮文庫)作者: 池澤夏樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2001/05メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (16件) を見るちょっとガム・シロップ(いや、ペパーミントだろうか)みたいな文章で、こちらの好みからすると少々…

西洋中世奇譚集

西洋中世奇譚集成 皇帝の閑暇 (講談社学術文庫)作者: ティルベリのゲルウァシウス,池上俊一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/07/10メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 15回この商品を含むブログ (16件) を見る中世のいわゆるmirabilia(驚異譚)で、よく…

吉本隆明のもたらす豊かな時間

日本近代文学の名作 (新潮文庫)作者: 吉本隆明出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/06/30メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 57回この商品を含むブログ (20件) を見る既に読んだ本だと、吉本さんどう書いているかなとか、まだ読んでいない本だと、いやこれ…

福田恆存の幸福論

私の幸福論 (ちくま文庫)作者: 福田恒存出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1998/09/01メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 62回この商品を含むブログ (74件) を見る福田恆存がこのような本を書いていたとは意外だった。内容はいまさらという感じのものだが、…

ケルトの神話

ケルトの神話―女神と英雄と妖精と (ちくま文庫)作者: 井村君江出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1990/03/27メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 31回この商品を含むブログ (17件) を見る文章に気品がある。それから、英雄たちの誓約という意味の、「ゲッシ…

町田康だ!

テースト・オブ・苦虫〈1〉 (中公文庫)作者: 町田康出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2007/11/01メディア: 文庫 クリック: 8回この商品を含むブログ (20件) を見る思わず笑ってしまう文章の連続。すごい芸だな。

谷崎潤一郎

少将滋幹の母 (新潮文庫)作者: 谷崎潤一郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1953/10/09メディア: 文庫 クリック: 27回この商品を含むブログ (23件) を見る優雅に語られる平安の風物がどこか懐しい。谷崎の筆力はさすがで、特に終りの方など、はっとさせられる…

グイン・サーガ121巻

サイロンの光と影―グイン・サーガ〈121〉 (ハヤカワ文庫JA)作者: 栗本薫出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/06/01メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 8回この商品を含むブログ (55件) を見る

ランボオの手紙

ランボオの手紙 (角川文庫)作者: A.ランボオ,祖川孝出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1951/09メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 3回この商品を含むブログ (2件) を見るランボオというのは、呆れるほど自分勝手な奴だな。福田和也ではないが、文学者ってそ…

池澤夏樹

タマリンドの木 (文春文庫)作者: 池澤夏樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1999/01メディア: 文庫 クリック: 9回この商品を含むブログ (17件) を見る何の変哲もないラヴ・ストーリーであるが、気持ちよく読めた。それにしても、どうなることかと思ったが、…