派遣と貧困について、小声に少しだけ

「生きづらさ」について (光文社新書)

「生きづらさ」について (光文社新書)

リーマン・ショック以前の本だが、派遣労働者と貧困など、問題は既に出尽くしていたことがよくわかる。まったく人ごとではないと痛切に思わされた。何となくみんなの思い込みの中に、一流企業だからそんな酷いことはしていないだろうとか、法律に反した待遇などしていないだろうとかいうのがありそうだが、世界的な一流企業といわれる会社が、しばしば労働者を物以下に扱っているというのは衝撃的だ。(こちらの認識がナイーヴだったということか。)それにしても、いまテレビなどで、企業が派遣労働者に対して、契約期間が残っているのに解雇するなどという報道がよく見られるが、どうしてマスコミは、それが違法行為だと付け加えないのだろう。まがりなりにも、「一流有名企業」ですよ? そんなことでいいのか?
 生きとし生けるものに対する、愛がないのだな。誰もがふつうに、ごくあたりまえに生きるということのかけがえのなさを、それぞれが自覚することの大切さ。
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