相撲の巴戦の確率

相撲の巴戦の確率を計算してみました。
 巴戦というのは同星が三人の場合におこなわれるもので、最初に戦う二人をAとB、残りの一人をCとすると、AとBの勝者がCと戦い、連続して勝てばその人が勝者、そうでなければ最初の敗者とCが戦い、というようにして、とにかく二番続けて勝つ者が出るまでおこなうものです。以下、どの力士の実力も拮抗している(どの対戦でもおのおのが勝つ確率が同じ(つまり1/2)である)と仮定します。
 AとBの確率が同じなのは明らかですが、Cがどうなるかは自明ではありません。樹形図を書けばわかりますが、確率はそれぞれ
  A=B=1/4+(1/16+1/32)+(1/128+1/256)+ … =5/14
  C=1/4+1/32+1/256+ … =4/14
となります。これより、Cは少し(1/14だけ)不利になることがわかります。
 実際の計算の仕方ですが、まずCを求めます。初項が1/4、項比が1/8の等比数列の和なので、
  (1/4)×{1-(1/8)^n}/(1-1/8)
でnを無限大に飛ばすと、nの累乗の部分は0になって、2/7(=4/14)に収束します。残りのAとBは同様に計算してもよいですし、全確率からCを引いて(1-2/7=5/7)、それを2で割っても出ます。
 また、これも樹形図からわかりますが、n回目(n≧2)の対戦で勝負がついたとすると、Cが勝って終るのは、nが3の倍数であるときだけです。このときAとBが勝って終ることはありません。そして、nが3の倍数でないときにAまたはBが勝って終る可能性があり、このときCが勝って終ることはありません。