川端康成コレクション展

名古屋の松坂屋美術館へ、「川端康成コレクション展」を観に行く。国宝数点を含む川端のコレクションは有名なもので、前から興味はあったし、ちょうどいい機会だった。(今回は国宝のものはなかったが。)
 で、一言でいうと、「すばらしい」。一文士の収集にしては、圧倒されるほどの質の高さといってよい。時代もよかったのだろう、今ではいろいろな意味で、これほどの収集はもう不可能だと思う。
 最初に興味を惹かれたのは、古賀春江の絵画で、この人の実物を観るのは多分初めて。とてもモダンである。蕪村、大雅あたりは勿論おもしろい。乾山。ハート型の顔をした縄文土偶、これはいい。無教養で書はあまりわからないのが残念だが、一茶や、明恵上人の夢記の断簡(何故そんなものがあるのかは知らないが)などは興味深く観た。ロダンの「女の手」なんていうのも、よく日本に来ていたなと思う。
 しかし、自分だってそう若くはないが、若い人の姿が殆ど見られなかったのは残念だった。五十代以上の方が大部分というように見えた。若い人の間で和物がブームというが、一流品には興味がないのだろうか。