寝る前にポリーニを

今日も寝る前にポリーニのピアノを聴く。カール・ベームと合わせたベートーヴェンを聴いた後、ブーレーズの第二ソナタへ。浅田彰はこの演奏を、「最後のピアニストが最後のソナタを弾く」と表現したが、まさしく人跡絶えた、荒涼たる未踏の地だ。しかし、ブーレーズポリーニは微妙に違う。例えばブーレーズは、指揮者として、いわゆる古典が演奏できない。ポリーニはある意味、古典しか演奏しない。ブーレーズは理性のみであろうとするが、ポリーニでは、理性と情念はコインの表裏の関係にある。そこでは、あまりの完璧さがヒロイズムすら掻き立てる。「悲劇」すら感じられる。
 もう少し苦行をと、ベルクの叙情組曲を聴く(ラサールSQ)。これのどこが「叙情」か。ひたすら苦行だ。

Beethoven;Piano Cons.3 & 4

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ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」からの3楽章

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新ウィーン楽派の弦楽四重奏曲集

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