吉田秀和さんに教えられたシベリウス

チャイコフスキー&シベリウス:ヴァイオリン協奏曲

チャイコフスキー&シベリウス:ヴァイオリン協奏曲

本日付の朝日新聞朝刊(名古屋本社版)に、吉田秀和さんの「音楽展望」が久しぶりに載っていた。読むと猛烈に音楽が聴きたくなってくる、批評の魔術は健在で、シベリウスのヴァイオリン協奏曲を聴かざるを得なくなった。チョン・キョンファのヴァイオリンと、プレヴィン指揮ロンドン交響楽団の演奏で、聴くのは久方ぶりだが、まるで初めて聴くかのように感動する。以前は、何もわかっていなかったらしい。なんという悲しい、凄い曲だろう。吉田さんも云っているとおり、作曲者の人生が凝縮された曲であり、フィンランドという国(の歴史)を考えずには聴けまい。チョンのヴァイオリンが、これまたである。悲痛な叫びのようなものまで、感じずにはいられない演奏だ。