今の経済が知りたければ、こういう本を読む
新潮選書 日本はなぜ貧しい人が多いのか 「意外な事実」の経済学
- 作者: 原田泰
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/09/26
- メディア: 単行本
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そして、問題はやはり日銀だ。デフレは総体的に見て著しく経済に悪いのだが、日銀はそれを絶対に認めようとしない。だいたい、デフレが悪いというのが、依然として日本人のコンセンサスになっていないというのは、歯がゆくも悲観的な気分にさせられることである。何度もいうが、TPPはどうでもいいし、社会保障と税の一体改革など、景気がよくなってからやればいい。緊急性があるのは景気対策であり、円高対策である。(これは素人考えで思うのだが、円高はもうこれが限界のあたりではないだろうか。一気に負の相転移を起こしたら、どうするのだろう。)これはデフレ対策から直結するのだ。というのは、問題からの逃避ではない。これしかないのである。それ以外の方策を採れというのは、不勉強がもたらすものだと敢て云っておく。
それから、どうでもいいことかもしれないが、本書は題がちょっとミスリードかも。とにかくいい本です。
なお、上の山形浩生の経済本リストは、とても参考になるものだ。既に読んだものもあるし、他にも何冊か読んでみたくなった。山形抄訳のケインズも読まないとね。