クルーグマン教授によるアベノミクス本
- 作者: ポール・クルーグマン,山形浩生,大野和基
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2013/09/14
- メディア: 新書
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そうすると気になるのは消費増税だが、クルーグマンはそれは論外だという立場だ。しかしこれは、増税が決ってしまった現在では、もう遅い。彼がイギリスの例を挙げて簡潔に示しているように、日本は国債残高を減らすには、穏やかなインフレと経済成長を両立させながら、ゆるやかにやっていくべきだと言う。イギリスの「借金」はかつて今の日本よりも深刻だったが、増税せずに見事に減らしてみせたのだった。税収を増やすのも、増税ではダメで(不況になって却って税収が減ることは、かつての消費増税で日本が示してみせたところである)、好景気による自然増がいちばんなのである。その点、消費増税後の日本は、先行きが暗い。
それから、これは今のところ日本は無策なのだが、クルーグマンによれば、日本の少子高齢化は、将来の日本経済に深刻な影響を与えるということで、これは何度も強調されている。これは長期的な問題だが、これを放置することで、日本の経済はかなりの勢いで縮小することだろう。それくらい、日本の少子高齢化のペースは早い。この問題に関しては、自分はかなり悲観的なのだが、まあ自分の意見などはどうでもいい。これは、もっと論じられるべき問題なのではないか。