ジョー・オダネル氏についてのTVドキュメンタリーを見ました

長崎の原爆投下直後の爆心地の写真を撮影した米軍カメラマン、ジョー・オダネル氏についてのNHKのドキュメンタリーを見ました。有名な焼場の前の少年の写真は、確かに以前新聞に掲載されていたのを思い出しました。「戦争を正当化する理由はない」、という凡庸な感想のみ記しておきましょう。関連するサイトは沢山ありますので、以下このエントリーだけリンクしておきます。
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2007/08/joe_odonnell_6972.html

お悔み

西洋古典学者の柳沼重剛氏が7月29日、亡くなられました。享年八十一。当ブログでも、氏の二冊の本について拙い感想を述べさせて頂きました。読みやすいのに格調を失わないという、貴重な散文の書き手であられたと思います。合掌。
※(id:obelisk1:20080724, id:obelisk1:20080529)

比較都市論

都市のコスモロジー―日・米・欧都市比較 (講談社現代新書)

都市のコスモロジー―日・米・欧都市比較 (講談社現代新書)

本書の中に、東京の飯田橋で、水路を暗渠化した上に人工の小さな滝を作ってあるという短いエピソードがあるが、それからふと連想されたことがある。十数年前のことだろうか、岐阜の柳ヶ瀬に、これも暗渠になった水路の上を開いて、奥まった細い路地にちょっと洒落た親水コーナーが作られたのだが、今ではほとんど忘れられ、汚くなって放置されているのだった。裏路地を歩いていっての発見、というような効果を狙ったのであろうし、確かにおもしろい試みだとは思うのだが、いかんせん、柳ヶ瀬そのものが寂れきってしまった現状では、どうしようもない。西柳ヶ瀬の端の人工の「泉」も同様である。地方商店街の活性化というのは、どうしても利害のあまり対立しない、当り障りのないものになってしまう例が多くなる。それがいかに洒落たものでも、活性化には役立たない。こうなっては、本当に活性化など必要なのか、などという根本的なところから敢て考えてみることも、もしかしたら必要なのかも知れない。

一歩前進となるか

国家公務員制度改革基本法案が成立しそうだ。簡単にいえば、役人から人事権を取りあげる法律。まだ抜け穴はあるし、小さい一歩だが、後に大きな一歩となるかもしれない。
http://www.asahi.com/politics/update/0527/TKY200805270381.html

婦女暴行したアメリカ兵の尻拭い

今度は、オーストラリア人女性を婦女暴行したアメリカ兵の尻拭いである。
今日付の朝日新聞朝刊から引用する。
防衛省は19日、02年に神奈川県横須賀市で米海軍兵から性的暴行を受けたオーストラリア人女性に対し、見舞金300万円を支払った。民事訴訟で賠償金を支払うよう命じられた米兵はすでに帰国。米側も支払いを拒んだため、日本政府が肩代わりをする異例の決着となった」
「同省によると、女性は02年4月に米兵から暴行されたとして同年8月に東京地裁民事訴訟を起こした。同地裁は04年11月、300万円の賠償を命じたが被告米兵は裁判途中に除隊・帰国してしまった」
日米地位協定では、米兵が公務外に起こした事件事故で賠償金が支払えない場合は米側が保証する仕組みだが、今回のケースは発生から2年以内とする米国法の請求期限を過ぎているとして、米側が支払いを拒否。防衛省は、日米地位協定で救済されない米軍被害の救済を定めた64年の閣議決定を適用したという」
そこまでするのか…
 ※http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3856695.html
 ※http://ameblo.jp/siesta009/entry-10098240456.html
 ※http://d.hatena.ne.jp/binzui/20080520

竹内薫さん

竹内薫の『シュレディンガーの哲学する猫』が文庫化されるというので、嬉しい。竹内さんは主に物理の分野のサイエンス・ライターで、いま日本でいちばん活躍されている方だと思うが、竹内さんの本で最初に買ったのが、これだった。確か、大垣のさほど大きくもない本屋で買ったのだと覚えている。随分と前のことだ。
 この本はしかし、物理のそれではなく、広義の哲学についての本である。物理プロパーではなく、出発点できちんと思想を学んで、土台を固めておられるところも信頼できる点だ。実際、物理に関する著書(例えば『世界が変わる現代物理学』など)においても、現代物理学の「コト的な世界」観(ちょっと廣松渉などが思い出される)への接近を指摘するなど、哲学的な思考ができる人なのだ。
 在野の方なので、アカデミズムには何かと苦労させられておられるのがブログなどからも推察されるが、欧米と比べてサイエンス・ライターの少ない日本では、洵に貴重な存在である。密かにエールを送りたい。
 ※http://kaoru.txt-nifty.com/diary/2008/05/post_9836.html
『世界が変わる現代物理学』については
 ※http://d.hatena.ne.jp/takky_ganba/20061227/1167217049
 ※http://d.hatena.ne.jp/rintaromasuda/20060801/1154384319
 ※http://d.hatena.ne.jp/ardbeg1958/20050525/p1
 ※http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20041009