判りやすければ良いのか

以前も感じたことだが([id:obelisk1:20080519])、著者の議論はあまりにも明快だ。もちろん良いこともあるのだが、単純化の危険も大いにあると思う。天皇制について、「ではどういうことが起こったかというと、政治の実権を独占していた武士が、内輪もめを起こし、改革派の武士が天皇を担ぎ出した、ということにすぎない。これがいわゆる明治維新。」こんな明治維新観を持った学者の言うことが、どこまで信用できるというのか。判りやすさのために犠牲にしたものが、あまりに大きいのではないか。