- 作者: 原田敬一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/02/20
- メディア: 新書
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「植民地台湾と朝鮮への日本の政策は、『進んだ日本』の、技術や資本を『遅れた地域』に移しただけで、欧米のような『極悪な植民地支配』をしたわけではない、という言い訳が二〇世紀末以来この日本に広がりつつある。これまでの詳細な研究によれば、そんな『言い訳』は一笑に付される低い水準のものでしかない。経済史の研究では、台湾は製糖と南進の拠点として開発され、日本内地の生活充実と国土膨張に役立たされているのであって、単純な開発策の実施ではない。」
「また『進んだ』『遅れた』という底には、差別意識が見えてしまう。韓国併合は、腐敗していた朝鮮王朝に責任がある、と日本が積極的に植民地化へ動いたことを隠蔽して、植民地支配を正当化する意見さえも見られる。」
「『植民地支配』とは、いかに本国が資本投下しようと、本来それは本国の繁栄のためであって、逆ではない。」