- 作者: エドワード・O.ウィルソン,Edward O. Wilson,狩野秀之
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/09/10
- メディア: 文庫
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ウィルソンが、生物多様性の重要さを唱導する伝道師であることは、よく知られている。しかし、生物多様性など、何ほどのこともないと思う。過去にも大絶滅はあった。現代の大絶滅も、人類が滅びれば、適応放散によって、生物の多様性は一気に回復されることは疑いない。問題は、人類がどのように絶滅するかである。人類も、必ず絶滅する。いくら危機を乗り越えても、最終的に、膨張した太陽が地球軌道を呑み込んだ後まで、生き延びることは不可能である(それは何億年も先の話だが)。そこまでいかないとして、地球そのものを道連れにして滅びてしまうのか。そんな先の話は、果してどうでもいいことであろうか。
著者のエコロジーも、ナイーヴなものに見える。少なくともガタリ的な視点からすれば、そう言わざるを得ない。それから、些細なことだが、「量子論と相対性理論を最終的に完成したヘルマン・ヴァイル」とあるが、これは何のことだろう。量子論は未だに完成されていないし、確かにワイルは一般相対性理論について美しい本を書いたけれども、これは「相対性理論を完成させた」というようなものではないが。
- 作者: フェリックスガタリ,F´elix Guattari,杉村昌昭
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2008/09/10
- メディア: 文庫
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