韓国の現代史?

韓国現代史―大統領たちの栄光と蹉跌 (中公新書)

韓国現代史―大統領たちの栄光と蹉跌 (中公新書)

ここに書かれているのは、韓国の大統領になるための歴代の権力闘争である。そして、ほとんどそれのみだ。著者は後書きで、これは意図的にしたことだと述べているが、軍事政権下のことだけならともかく、民主化以降のことまで権力闘争で押し切っているのは、果して適切な手法であったか疑問に思う。これで本当に、韓国の現代史がわかるものであろうか。なにしろ、大統領になるまでの話ばかりで、就任した後に何をやったか殆ど書いていないのだ。各大統領の子供のころのエピソードなども、後の権力闘争に関係のあることしか書いておらず、索漠としている。著者は一体、この本をどのような人に宛てて書いたのであろうか。