ハイゼンベルクの思想
- 作者: W.K.ハイゼンベルク,Werner Karl Heisenberg,山崎和夫
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 1999/11/20
- メディア: 単行本
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ハイゼンベルクとナチスの関係も、一応言及しておくべきであろうか。この点でなんとなくハイデガーを思い出してしまうのだが、それと比べると、同じくドイツに残った学者にせよ、ハイゼンベルクのほうが遥かに思慮深かったように思われる。実際、原子爆弾の現実性を知りながら、現実化には莫大な費用がかかることもあったが、一種のサボタージュを行っていたようだ。(連合国側は、ハイゼンベルクの暗殺まで考えていた筈である。)そして、実際に広島に原爆を落としたのは、ドイツではなかった。(ファインマンなどは、若き優秀な物理学者として、原爆開発の知的興奮を、淡々と語っていたと思う。)平凡だが、戦争は嫌である。