佐藤優と超越性
国家と神とマルクス 「自由主義的保守主義者」かく語りき (角川文庫)
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/11/22
- メディア: 文庫
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本書の紹介にもある通り、著者にとって「絶対的なものはある。ただし、それは複数ある」ということで、それら絶対的なものとは、書名にある「国家」と「神」と「マルクス」だというのだが、たとえ複数あろうが、著者の思考の中では、それらを頂点としたツリー型のハイアラーキーが形成されているとおぼしい。自分に引き付けて考えてみると、自分には著者の持っているような意味での「超越的なもの」が、果してあるのだろうか、と思ってしまう。そこが自分の貧しさなら、もう仕様がない。
それから、世界のインテリジェンス界隈の人々に、柄谷行人の分析を語って感銘させるというのには、驚かされた。やはり柄谷は偉大なのだな、と言わざるを得ない。また柄谷を読み返す必要があると思わされた。