「国境を越える」とはどういうことか
- 作者: 西川長夫
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2001/02/07
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 29回
- この商品を含むブログ (51件) を見る
本書には色々なことが書かれており、サイードの『オリエンタリズム』の読解なども面白かった。しかし、「東洋人」として『オリエンタリズム』を読むというのも、これまた厄介だというのは、以前読んだ時には思い至らなかった。本書でも言うとおり、『オリエンタリズム』には明確な解がないのである。ゆえに、我々の存在もまた、両義的にならざるを得ない。何とも居心地の悪い状態だが、「経済のグローバル化」(これは、言語の「英語化」と深く関わっている)が叫ばれる現在、これは無視できない問題である。困った。