中世イングランドの農村の生活

中世ヨーロッパの農村の生活 (講談社学術文庫)

中世ヨーロッパの農村の生活 (講談社学術文庫)

J・ギースとF・ギースによる講談社学術文庫の中世ヨーロッパ物も、『中世ヨーロッパの城の生活 (講談社学術文庫)』と『中世ヨーロッパの都市の生活 (講談社学術文庫)』に続いて三冊目となった。中世イングランドの村エルトンにおける農民の生活が、具体的に活写されていて、素人が読んでも面白い読み物になっている。近年、このような「生活史」とでもいうべき書物が増えてきていて、他にカルロ・ギンズブルグの『チーズとうじ虫―16世紀の一粉挽屋の世界像』などがちょっと思い出されるところだ。
 それにしても、エルトンの人々、朝からライ麦パンと一緒にエールを飲んだり、日が落ちたで居酒屋でエールを飲んで酔っ払い、喧嘩や暴力沙汰に及んでいるが、どういうものだろうか。比べるに、同時代の日本の農民は、酒はどんな風に飲んでいたのだろう。浅学でさっぱり参考書が思いつかないのだが。