- 作者: アーサーケストラー,Arthur Koestler,小尾信彌,木村博
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/07/09
- メディア: 文庫
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それから、地球ではなく太陽が公転の中心にあるという、いわゆる「コペルニクス的転回」説の普及について、なぜケプラーではなくガリレオが大きな役割を果たし、また法王庁に標的にされたのかというと、ケプラーの書は極めて判り難かったのに対し、ガリレオのそれは、画期的に理解しやすい文体で書かれてあったのが大きかったのだという。(ガリレオのその書『星界の報告』は、岩波文庫で読める。)このことなど、科学哲学のある種の議論に持ち出されそうな事実ではないか。
この本の科学史上の側面ばかり述べたが、全体としては、ケプラーの手紙を多く引用するなど、バランスのとれた伝記になっている。占星術の徒であり(というか、近代科学に繋がっていく天文学は、ケプラーの師チコによる占星術の精密化から始まったのだ)、中世の雰囲気にどっぷり浸かった、転換期の人物といったところであろうか。ガリレオの忘恩ぶりなども興味深かった。
- 作者: ガリレオ・ガリレイ,山田慶児,谷泰
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1976/10/18
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- 作者: ヨハネス・ケプラー,渡辺正雄,榎本恵美子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1985/05
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