- 作者: 荻上チキ
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2008/07/16
- メディア: 新書
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教えられる点は多かったが、印象的だった点を幾つか挙げると、まず学校勝手サイトの内、「裏」化しているのは極く一部だということ。大人の使うサイトに比べて、荒れている割合はむしろ少ないということ。これらから、総じて子供の方が新しいメディアに対して成熟していて、うまく使っていることがわかる。それから、ネットいじめのようなことは確かにあるが、ネットが原因であるというよりは、ネット外の実生活に存在する問題が、ネットで可視化されているのが殆どだということ。
これらから考えるに、ネット世代の子供たちが大人になっていけば、社会の中のネット・リテラシーも自ずと向上していくと思われよう。ただ、少し気になったのは、高校生に聞くと、自分がネットをやって問題はなかったのに、中学生では早すぎるから規制すべきだと言い、そこで中学生に聞けば、小学生は規制せよなどという型の言説がかなりあるということだ。これは大人社会の言説の構造にまったく同型なのであって、なにやら嫌な感じなのである。それこそネットだけの問題ではない。