- 作者: 田辺保
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/08
- メディア: 文庫
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しかし、パスカルが最高のキリスト者の一人である、ということの一方でとても気になったのは、その高邁なキリスト教徒であるということそのものの性格である。簡単に言ってしまえば、最高のキリスト者というものは、これほど(殆ど「卑屈な」と口走ってしまうほど)までに、神に拝跪しなければならないのか、ということである。今たまたま、ドゥルーズの『ニーチェと哲学』を読み進めているのだが、ニーチェがキリスト者を糾弾して已まないのは、まさしくその点にあると思えるのだ。(「十字架に架けられた者 対 ディオニュソス」。)原罪を犯し、イエスを十字架に送った人類は、すべて罪深いものであるという発想。正直言って、パスカルほどの人が、かほどに自らを貶めねばならないのか、という気持ちが、どうしてもするのである。(この点に関しては、他の宗教、特に我々は仏教についてとの、さらなる詳しい比較が必要であろうが。)
なにはともあれ、もう一度『パンセ』が読みたくなったし、また『プロヴァンシアル』もなんとか入手して読んでみたくなった。後者など、岩波文庫あたりに入っていてしかるべきだと思うのだが。
- 作者: ジルドゥルーズ,江川隆男
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2008/08/04
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