だいぶ古い本だが、何かの本の参考文献になっていたので読んでみた。この本に収められている論考はすべて平成の始めに書かれ、当時の
サブカルチャー的状況についてや、その頃急速に当り前になりつつあったコンビニなどに関する都市論的分析などになっている。ちょうど自分の学生時代のことだったので、読んでいてその頃を思い出さずにはいられなかったが、当時の時代性に関する、優れて先駆的で同時代的な論考だと言ってよいと思う。ここに描かれている「おたく性」のようなものは、確かに自分のベースになっていると感じた。思えばヤマトも
ガンダムも
マクロスも視たし、『
幻魔大戦』も『
グイン・サーガ』も
神林長平も
高橋留美子も読んだし、『I/O』も『ログイン』も購読したのだから。そのような物らから離れてしまったのは、時代が替って、こちらの感性が鈍くなってしまったからなのか、それとも、それらの貧しさ故なのか。いずれにせよ、
東浩紀の「
動物化」というのを無視できないのは、自分のベースの問題なのだと思う。