マンシェットのネオ・ポラール

愚者(あほ)が出てくる、城寨(おしろ)が見える (光文社古典新訳文庫)

愚者(あほ)が出てくる、城寨(おしろ)が見える (光文社古典新訳文庫)

中条省平の翻訳ということで、迷わずに読んでみた。古典新訳文庫なので純文学かと思ったが、(レッテル貼りは、まあどうでもいいといえばどうでもいいけれども、)どちらかといえばエンターテイメントに属する小説だ。子供とイカれた女の逃亡者と、殺し屋の追跡者。犯罪小説とでもいうのだろうか、クールさと疾走感で確かに読ませる。ハリウッドのアクション映画を連想させるもので、自分の好みとは多少違ったが、気に入るひとも少なくないだろう。訳文は見事です。