『のだめ』が好きな人に
ボクたちクラシックつながり―ピアニストが読む音楽マンガ (文春新書)
- 作者: 青柳いづみこ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/02/01
- メディア: 新書
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しかし、音楽家で果して食べていけるのかということを扱った、「ピアニストは本当に不良債権か?」という章には、思わず嘆息させられた。コンサートは自主公演が当り前、CDもショップが捌けない部分は演奏者が買い取り、というのは、まあ驚きではなかったが、やはり衝撃はあった。こういうことを知ると、仮に日本人ピアニストのCDにあまり感心しなくても、なかなか貶せなくなるなという気はしないでもなくなる。(まあ、こんなブログでくらい、本音を書いたところで何ほどでもないであろうけれども。)CDなどでは、超一流の大家でも、日本人のあまりポピュラーでない(?)ピアニストでも同列だというのが今の時代性というもので、そこで評価されてしまうというのは(どんな職業でも今はそういうところがあるが)厳しいことには違いない。何はともあれ、本書を読んで、その「後者」の方の音楽家たちの姿がなんだか愛すべき風に感じられてきたのは、いささか悪くない心持ちではある。
※青柳いづみこ氏のサイト http://ondine-i.net/
*1:後記。既にドビュッシーの評伝を読んでいることを思い出した。この本とはだいぶ性格が違うので、忘れていました。