- 作者: 佐々木正人,三嶋博之,松野孝一郎
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 1997/11
- メディア: 単行本
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鼎談の部分がいちばん面白かった。生の素材がごろごろ転がっているという感じで、クリア・カットからは程遠かったけれども、それはそれで刺激的だった。とりわけ興味深かったのは、蚯蚓の胴体を切断したあとで紐で結び付けると、神経などはもちろん切断されているにもかかわらず、運動の波は前から後ろまで、あたかも連続しているかのように進んでいくという事例である。
あと、キー・タームとして摩擦(スリップ)というのが頻出するが、ちょっと判りにくかった。しかし、物理学的な現象としてはマクロな「摩擦」というのは、とても説明の難しいそれであるから、その辺りに関係してくるのだと思う。それから、「フィードバック」という概念はまったく登場しなかったのだが、これはどうしてなのだろうか。