東京に関する本は文庫でもかなりあるし、東京に住んだことのない自分ですら多少は読んだくらいだが、例えば岐阜などについてこのような本が書かれることは、ほとんど想像できない。まあそんなのは、書く人も読む人もいないだろうが。しかし、昔から人の営みがあったという点では、東京であろうが岐阜であろうが、何の違いもないのだけれども。岐阜の
genius loci は、既に死に絶えてしまったのだろうか? そうでもないとは思うが、するとどこに宿っているのか、これは考えるに値することかもしれない。(開発から取り残された、たんなる田舎の風景? それとも、郊外の
ファスト風土的風景? その他に?)