メンデルスゾーン最初期の室内楽

メンデルスゾーン:ピアノ六重奏曲、ピアノ四重奏曲集

メンデルスゾーン:ピアノ六重奏曲、ピアノ四重奏曲集

すべてメンデルスゾーンが十三歳から十五歳までに書いた、あまり知られていないピアノ入りの室内楽であるが、若書きだとかそんなことはなく、どれも完璧な仕上がりになっている。ピアノ四重奏とかピアノ五重奏といった編成が好きなので、まず三曲のピアノ四重奏曲から聴いてみた。三曲とも既にメンデルスゾーンらしさがはっきりとしていて、短調でドラマティックな曲になっている。特に第三番は調子の起伏が大きく、傑作といっていい。もっと演奏されてもいい曲だと思う。ただ、演奏自体はベストとは云えず、ピアノがもう少し繊細だとよかったが、曲のおもしろさは充分伝わるとはいえる。
 ピアノ六重奏曲は、室内楽らしい各声部の絡み合いはあまり見られず、小協奏曲といった感じで、多少印象が薄い。演奏は悪くない。