『はじめての現代数学』

これは名著だ。現代数学のおもしろいところが、さほどレヴェルを落さずに、判りやすく説明されている。「無限」についての議論はかなり本格的だし、グラフ理論からホモロジーホモトピーの基礎へ、また、記号論理学からゲーデル不完全性定理へなど、議論の進め方もスリリングだ。学校の数学が苦手だった人も、おおよそは理解できるように書かれているし、理系の人でもきっと新発見があると思う。一時期話題になった「ポアンカレ予想」についても、この本は参考になりますよ。