2009-11-05 クワイン とりあえず読んでみた クワイン―ホーリズムの哲学 (平凡社ライブラリー)作者: 丹治信春出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2009/10/01メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 48回この商品を含むブログ (18件) を見る「現代思想の冒険者たち」シリーズからの平凡社ライブラリー収録。本書の記述する限りのクワインを見ると、「ホーリズム」などというのは、デリダの「エクリチュール」に比べれば、神秘主義すれすれである。そもそも、知覚の対象を言語というピンで留めてゆく、というような貧しい言語観(特に論理実証主義の系統のそれ)から抜け出さない限り、言語哲学の深化はあり得ないだろう。クワインの認識論の浅薄は覆うべくもなく、例えば「刺激意味」などという不正確極まる土台の上に、ありもしない空中伽藍を組み立てていることからもそう云える。