- 作者: 堤未果
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2010/01/21
- メディア: 新書
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オバマは確かに優秀で、口がうまく、パフォーマンスも得意だ。しかしアメリカ人らも、既にオバマに期待するばかりではなくなっている。オバマ政権の誕生で、リベラル派は喜び、オバマが何かおかしなことをしても寛容だったきらいがあるけれども、彼らもまた、批判精神を鈍らせていたことを反省し始めている。日本でもそうだが、誰かひとりの御蔭ですぐに国がよくなるなど、幻想に決っているのである。
刑務所が第三世界以上のアウトソーシング先になっているという、第四章の指摘も、驚き以外の何ものでもない。囚人なら、超低賃金でどれほど働かせようが、誰からも文句が来ないというところに目をつけるなど、アメリカ以外ではどこでそんなことに気付くだろう。これがまた、労働者の職を奪い、流れ流れて囚人の数を激増させているのだという。
それにしても、例のロビー活動というやつなのだが、政治家にはっきりとした見返りを求めて金を渡すのは、アメリカでは賄賂にならないのでしょうか。そこらあたりが、よくわからないのだが。