冤罪をつくるのは、検察とマスコミではないか

本日付の朝日新聞朝刊(名古屋本社版)から引用する。
「自称障害者団体を郵便割引制度の適用団体と認める偽の証明書が厚生労働省から発行された事件で、虚偽有印公文書作成・同行使の罪に問われ、無罪を主張する同省元局長村木厚子被告(54)の第8回公判は、24日午後も大阪地裁で続いた。村木元局長の共犯として起訴された当時の担当係長上村(かみむら)勉被告(40)は検察側の証人尋問で、元局長から不正な発行を指示されたとする捜査段階の供述調書は『でっち上げだ』と訴えた。」
「上村元係長は、昨年5月に大阪地検特捜部に逮捕された後の取り調べ状況を問われ、『検事は、自分の判断でやったと説明しても調書に書いてくれなかった。厚労省の組織犯罪にしたかったのでは』と主張。村木元局長の関与を認めた厚労省関係者の証言を知らされて誘導されるなどし、記憶に反する内容の供述調書に署名したと語り、『悔しい思いでいっぱい』と涙ぐんだ。」
「一方、偽の証明書は村木元局長にでなく、自称障害者団体『凛(りん)の会』(現・白山会、東京)元幹部の河野克史(こうのただし)被告(69)=元局長らとの共犯で起訴=に厚労省近くの喫茶店で手渡したと述べた。河野元幹部はこれまでの公判で、上村元係長からの受け取りを否定している。」
 言いたいことは二つ。(1)検察はこういうこと(調書をでっち上げるという、殆ど犯罪行為)をしておいて、罪に問われるどころか、責任を取ることすらないというのは、これでいいのか。(2)事件が起きた当初、マスコミは一様に、裏も取らずに検察の言うことをそのまま流して、その結果、村木氏は犯罪者に等しいような報道をされたが(報道を知った人の多くが、氏が犯罪者だと思ったろう)、これもまた、マスコミは罪を問われるどころか、責任を取ることすらないというのは、これでいいのか。
 足利事件の菅家氏は、検察に一生を台無しにされたのだった。マスコミはそれを得々と報道したものである。しかし、冤罪をつくるのは、検察だけでなく、マスコミも加担しているのではないか。松本サリン事件のときから、何の進歩もないではないか。