- 作者: G.Molini´e カリトン,G.Molini´e Chariton,丹下和彦
- 出版社/メーカー: 国文社
- 発売日: 1998/06
- メディア: 単行本
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ペルシャの実在したアルタクセルクセス二世を思わせる人物がメイン・キャストの一人で登場するなど、本書は歴史というものを感じさせる点でも興味深いが、訳者の解説に拠ると、ギリシャ小説は歴史書に大きく影響を受けているというのも面白い。実際本書にも、トゥキュディデスから採ったような句が、幾らかあるらしいのである。
翻訳も、少なくとも違和感を覚えるような文章はなく、なかなかよいものだと思う。しかし、よくもこのような文献が訳されたものだ。この国文社の「叢書アレクサンドリア図書館」のシリーズは、何とか常時入手できるようになっているといいが、まあむずかしいだろうな。