「ストラスブール美術館所蔵 語りかける風景」展に行ってきた

多少空き時間があったので、岐阜県美術館の「ストラスブール美術館所蔵 語りかける風景」展に行ってきた。印象派前後の、十九世紀のフランス絵画が中心で、ビッグ・ネームこそ少なかったものの、とてもよかった。個人的に最近はナマの西洋画を観ていなかったので、一流二流など関係なしに、西洋画というものを堪能したというのが、本当のところだが。何を観ても面白かったというか、西洋画というもの自体が刺激的で、なんだかぼーっとしてしまったくらいだった。あまり知られていなくても、技術のしっかりした、手堅い絵画というのも良いものだなあ。が、表現主義的なハインリヒ・カンペンドンクの「森」なんていうのも、この中では異色だが、幻想画っぽくて気に入ったりもした。
 印象派に繋がるような画家たちの作品もあって、印象派というのも突然出現したものではないのだと思わされた。
 しかし、所蔵品展の方に、日本人の描いた西洋画というものもかなりあったのだが、同じようなものを同じように描いているようでも、彼此の間に、感覚の違いがはっきりと感じられた。風景画を取っても、西洋人の描くものは、どこかロジックの匂いがするが、日本人のは何だか視点が拡散されているようだと云えばいいのか。例えばモローのような画家など、日本ではなかなか生まれまい。