岡崎武志さんの『古本道入門』

ああ、面白かった。仕事場で空き時間に読む本にしようと思っていたのだが、今日仕事場で読み始めて、結局ふとんの中に持ち込んで読み切ってしまった。自分は今ではあまり古本屋にも行かず、時々ブックオフに行くくらいだが、それでも本書は面白い。これでも学生時代は京都だったので、毎日古本屋に行き、結構シブイ本を買っていたのだが。東京へ行った折は、神保町に寄り、品切の岩波文庫を探したりもしましたよ。東京や京都は、古本好きにはいいところであり、本書も東京ならではという内容もあるだろう。岐阜にもなかなかいい古本屋があると思うが、車で行かねばならず、無料の駐車場がないのが厳しい。だから、ついブックオフということになるし、実際ブックオフは自分にはありがたい。本書にもブックオフの105円棚の話が出てくるが、これは独特の楽しみで、古書店の均一台(これはこれで自分は好きだ)とも微妙にちがい、本との付き合いの仕方を広げたと思う。古本通だと云っても、こういう楽しみを排除していないところが、本書の嬉しいところだ。また本書は、古本好きでない人が読んでも、きっと面白いと思う。一生をかけて打ち込める対象があるというのは素晴らしいことで、著者の場合は、それが古本だったということだ。情熱の書である。