アメリカの黒人問題で思ったこと
アメリカ黒人の歴史 - 奴隷貿易からオバマ大統領まで (中公新書)
- 作者: 上杉忍
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2013/03/22
- メディア: 新書
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それから、実際の歴史についてだが、例えば黒人の抵抗運動に関して、暴力を排除しないのか、それとも飽くまで非暴力でいくのがいいのか、という問題がある。確かに弱者による暴力は、強者によるさらに一層の暴力を誘発しかねないし、実際にそのようなことに頻繁になっているのだが、一方で、「こんなことに耐えるくらいなら、抵抗して死んだほうがまし」ということも、やはりあるわけだ。憎悪に対して憎悪で応えるというのは、愚かかも知れないが、極当り前の発想だからである。これは本当にむずかしい。
今ではアメリカは黒人大統領を擁するようになったが、それでも黒人に対する差別がなくなっているわけではないことは、本書の指摘するところである。また、差別の廃棄に向けた「アファーマティブ・アクション」などが、逆差別だとの主張もある。このような問題が、論理で解決できるのかは、自分にはまったくわからない。また、かかる問題は、アメリカ一国の黒人問題だけではなく、世界的な弱者の問題に直結していくだろう。もちろん、日本でも類似の問題は様々にあるわけだ。自分などにはどうも、むずかしすぎていけない。皆も、考えてみて欲しいと思う。
※追記 アメリカの黒人は、色々と素晴らしい文化を創り出してきた。自分は音楽が好きなのだが、ジャズというのは自分はまったく詳しくないけれど、尊敬して已まないものである。また、自分は同調できないものの、ヒップ・ホップは世界の音楽地図を塗り替えてしまった。ここいらは、もう少し知りたいところである。